11月26日(日)国立代々木競技場第一体育館で開催された「文部科学大臣杯 第17回JKJO全日本ジュニア空手道選手権大会」のレポート第二弾。
17回のJKJO全日本大会の歴史の中で初の快挙と言えるのが、双子の選手によるワンツーフィニッシュ!それが「小学3年27kg未満の部」に出場の京口兄弟(共に聖心會)だ。京口兄弟どちらかが入賞することはあっても、決勝で、それも全日本の舞台で双子での兄弟対決となるのは初。それぞれに優勝候補選手を破り決勝まで勝ち上がり、決勝戦ではお互い勝ちたい意地と意地のぶつかり合いとなったが、双子での対決は判定の末、兄の京口 竜汰の判定勝ちとなった。
今大会の文部科学大臣賞に選ばれたのは、53名エントリーのビッグトーナメントを制した正木 翔夢(七州会)。この「中学2〜3年男子57kg未満の部」は、以前当オフィシャルでも予想した通り、優勝候補のスター選手が16人も混在する激戦区。その上、優勝するには6試合戦わないと優勝できない過酷なトーナメントなのだ。準決勝では優勝候補の一人、谷口 遼磨(聖心會)と延長の末、3-2のスプリット判定で勝利、決勝戦は昨年の覇者、瀬尾 旺文(桜塾)を本戦5-0で破りこのトーナメントを制した。
もう一つ、注目された50名を超すビッグトーナメントが「小学6年40kg未満の部」。昨年は鷲見 琉斗(桜塾)が優勝、大谷内 洸(桜塾)が準優勝と桜塾がワンツーを制し、今年こそその牙城を崩せるか注目していたが、優勝候補筆頭の岡本 東真(極真拳武會さいたま浦和)でも、山本 和輝(統心會)でもその牙城は崩せず、昨年同様、鷲見と大谷内の桜塾勢が制した。
そして、今大会の高校生以上のクラスにビデオリプレイシステム(ビデオ判定)が導入されたのにも注目された。ビデオリプレイシステムは審判団の要求により、判断のつかない反則の場合のみ使用されるもので、今大会でも何度か使用されたが、中でも印象的だったのが「高校女子55kg以上の部」決勝戦。優勝した成田 薫実(七州会)の蹴りが金的と判断され注意となったが、ビデオリプレイの結果、金的ではなく技ありとなり勝利したケースも見受けられたのだ。今後、各クラスに導入されることに期待したい。
今年も様々なドラマが生まれ、新たなスター選手が誕生となった「カラテ甲子園」。そして来年度もさらに進化を遂げたJKJO全日本大会に期待したい。