JKJOファイナリストと世界で活躍するアスリートが対談する新企画「JKJOアスリート対談」。記念すべき一人目のゲストは、ジュニア時代はフルコンタクトカラテで活躍した、ボクシングWBA世界チャンピオンの京口 紘人選手だ。世界で活躍する選手はどんな練習をして、いかにしてチャンピオンになれたのか、JKJOファイナリストの酒井竜弥(桜塾)、小野寺天汰(聖武会館)、石野まこと(桜塾)、清水未来(桜塾)がチャンピオンを質問攻めにして、強さのヒミツを引き出してみた。
ーーまず、空手時代のお話しから聞かせて下さい
京口紘人(以下:京口)
御存知の通り父親が空手の先生だったので、空手が生活の一部でした。兄も姉も空手を習っていましたので、3歳から空手を始めるたのは自然な流れでした。女性陣はなぜ空手を習い始めたのですか?
石野まこと(以下:石野)
私は兄が空手を習っていたので、気が付いたら私も一緒に空手を習っていました。
清水未来(以下:清水)
私が生まれた時に同時多発テロがアメリカであって、こんな大変な時代に産んでしまったと思った母が、自分の身は自分自身で守れる強い子に育ってほしいと空手を習わせたと聞いています。
ーー空手時代の戦績はいかがでしたか?
京口
兄と姉は強かったですが、私は全く勝てませんでしたね。特に姉は高校の3年間JKJO三連覇するなど全国で活躍していたのですが、自分は地方の大会で勝ち上がるのがやっとで、兄弟の中ではずっと劣等感を感じて過ごしていました。必死に食らいついて頑張っていましたけど、ホント目立つ選手ではなかったですよ。
小野寺天汰(以下:小野寺)
当時、どれくらいのペースで試合に出られていましたか?
京口
今ほど大会数も多くなかったので、多くて月2回程度です。やはり体が小さかったので、低学年の頃は体格差でなかなか勝てなかったですね。
酒井竜弥(以下:酒井)
勝てるようになったのはいつ頃からですか?
京口
空手をやめるって決めてからですね(笑)。父親に大会で優勝したらボクシングをやらせてくれってお願いしたんですけど、そこから3大会くらい連続で優勝できました。目標を持つと人は強くなれるんだと実感しましたね。
ーー同期の選手で現在活躍している空手家はいますか?
京口
対戦経験はないですが、白蓮会館の福地勇人選手です。現在もYouTubeでコラボしたり交流もありますよ。
ーー大阪の観光大使もされているようですが、どんなお仕事をされているのですか?
京口
2019年からもう2年ほど観光大使をさせてもらっていますが、様々な催し事のPR活動をしています。新大阪の駅の構内にある案内所に等身大パネルが置いてありまので、是非一緒に写真を撮ってやって下さい(笑)
ーー他にチャンピオンに質問のある方お願いします
酒井
ボクシングを始めたのはいつ頃ですか?
京口
小学校を卒業する前まで空手をしていたので、12歳です。やはり体格差で負けてしまうとどうしても言い訳をしてしまうので、そんな自分がイヤだたんですね。そんな時、「辰吉vs薬師寺」の伝説の試合を見て、ボクシング転向を決めました。
石野
12ラウンド戦うスタミナの保たせ方を教えて下さい。
京口
もちろんトレーニングで12ラウンドこなすスパーもしますし、自分の中でペース配分がわかってこれば問題ないですよ。空手のように2〜3分で勝敗が決まるより、長いラウンドで勝敗が決まるほうが自分には向いてましたね。
小野寺
何ラウンド目が一番大変ですか?
京口
7〜8ラウンド目かな…。その時、自分がおかれている状況によって、まだ8ラウンド目と感じる時もあれば、残り4ラウンドしかないと感じる時もある。そこからはメンタルが強くないと不安にもなるしガス欠にもなるので、どんなスポーツにもメンタル面がやはりすごく大切だと思います。
酒井
試合前と試合中のメンタルとモチベーションの保ち方を教えて下さい。
京口
どれだけトレーニングをしてきたかが自身にも繋がるんじゃないですかねぇ。
清水
練習中はどんな事を考えながらキツいトレーニングをこなしていますか?
京口
ボクシングを始めた頃から世界チャンピオンになる夢を持っていて、キツいトレーニングをこなす度に1mmでもその夢に近づいたって思うようなメンタルで練習に励んでいました。何事にも目標を持って練習に励む事が大切なんじゃないかと思います。
小野寺
チャンピオンになるまではすごいモチベーションだったかと思いますが、チャンピオンになってからは何をモチベーションにしていますか?
京口
私が初めて世界チャンピオンになったのは一番軽いミニマム級で、その次に今の階級でもあるライトフライ級の世界チャンピオンになりました。ボクシングには階級があるので、上の階級を狙えばキリがないんですけど、正直夢は叶いました。現在ライトフライ級で3回防衛もして、夢は叶ったんですけど、目標とすればフライ級の世界チャンピオンになることになります。常にモチベーションは、自分で探しにいくしかないですよね。
清水
最近、選手としてだけでなく、子どもたちを教える立場にもなって、強くて素晴らし人になりたいのですが、どうしたらなれると思いますか?
京口
空手家の鏡のような目標ですね(笑)。武道は強さだけじゃないと思うから、自分自身もしっかり成績を残して、そして強い教え子も育てる事ができたら、自然と素晴らしい指導者になれるんじゃないかなぁ?自分自身もまだわかりません(笑)
小野寺
目標から逆算してトレーニングメニューを自分で考えて実践しているんですけど、京口選手はどのようにメニューを考えて、どれくらいのペースで練習されていますか?
京口
小野寺選手と同じで、自分で考えた練習メニューをチーフトレーナーと相談して決めてます。練習は週5〜6日、身体をケアするだけの日もありますよ。
小野寺
練習のアイデアはどのように考えられていますか?
京口
クロストレーニングと言って、いろいろなスポーツからヒントをもらっています。視野を広げて、いろいろな練習方法を取り入れた方が新たな発見もあって楽しいですよ。
石野
減量はどのようにされていますか?
京口
減量に正解ってないんですよね。人それぞれ身体のサイズも違うので、様々な方法があると思います。でも、ちゃんと食べて栄養を摂りながらトレーニングに励むのが良いと思います。特に子供たちは成長期なので、しっかり食べてしっかり稽古して下さい。
ーーズバリ、京口選手のように強くなるにはどうしたら良いですか?
自分もよく言われてきたんですけど、強くなりたければしっかり食べろと(笑)。そして、目先の結果じゃなくて、5年先、10年先を見据えたコツコツの積み重ねが強くなる近道だと思いますよ。
京口 紘人(きょうぐち ひろと)
所属/ワタナベボクシングジム
プロ戦績/15戦15勝(10KO)
大阪観光大使
YouTubeチャンネル登録数/17万人
[主な戦績]
第31代WBA世界ライトフライ級スーパー王者
第23代IBF世界ミニマム級王者