2月某日、「第15回JKJO全日本ジュニア空手道選手権大会」団体戦2位に輝いた愛知県の七州会へ、その強さのヒミツを探りに強化練習会へ潜入取材。七州会は、7人の拳士が中心となって1982年に愛知県にて発足された老舗道場だ。今年でちょうど40周年となる。
コロナ禍の影響もあり、人数を制限しての練習会ではあったが、西尾会長を始め、熱血指導には定評のある成田先生、そして各支部長の先生方がズラリ揃い踏み。もちろん、練習会の中には今年度JKJOチャンピオンの成田薫実、正木翔夢、酒井希羽選手の姿も。

常に “強い気持ちで始めて、強い気持ちで終わる” それが強さの秘訣

緊張感が漂う中、成田先生指導の元練習会がスタート。西尾会長、成田先生の挨拶の後、「道場訓を読み上げたい人」の呼び掛けに、低学年の選手までもが手を挙げ、小さな選手が暗記した道場訓を力強く読み上げる姿に、まず感銘を受けた。その後、ウォーミングアップから始まり、基本稽古、移動稽古、ミット練習と続く中で、ミットの最後に成田先生が指導を始めた頃から続けている「下がらない練習」が始まる。「特に上級クラスになると攻撃も前へ出る圧力も強くなるので、ミットをもって圧力をかけて、下がらない練習を必ずしています」と、成田先生こだわりの練習を見せてもらうことが出来た。その後は学年別に別れて約束組手が始まり、各先生の指導熱もヒートアップし、低学年であろうと高学年であろうと変わらない指導で、全員がクタクタになるまで組手が続いた。練習の最後には、週に3日15分程度取り入れている体幹トレーニングをして、みっちり2時間練習会が終了となった。上記以外にも、毎週水曜日1時間半、ダッシュや坂道、階段など走り込みをして、下半身強化に努めていると言う。

練習の後に、成田先生に強さの秘訣を聞いてみた。「いくら空手が上手でも、気持ちが強くないと強さを活かしきれない。気持ちがないと延長、再延長で諦めてしまう。苦しい状況でも気持ちがあれば前に出て攻撃もできる。“強い気持ちで始めて、強い気持ちで終わる” 常にこの事を教えています」と、メンタルの強さと成田先生のこだわりが七州会の強さの秘訣だろう。

指導者のコメント

西尾富士幸会長
私は会場にはいなかったのですが、愛知県から「勝ちにこだわれ！」とエールを送っていました。
どこの道場も、おそらく練習内容には差がないと思います。七州会は、常に気持ちを強く持ち、勝ちにとことんこだわっています。その気持ちの差が今回の団体戦2位の結果に繋がったんだと思います。本当に嬉しかったです。今年度はさらなる高みを目指して、七州会一同団結して頑張っていきます。

成田豪幹事長
午前の部、小学生までの選手が良い結果を残せなかったので、午後からはかなり気合を入れて望みました。中学生以上の選手たちが頑張ってくれたお陰で、団体戦2位という結果に繋げられたと思います。西尾会長が会場にいないので、必ず良い結果を報告したいプレッシャーはありましたので良かったです（笑）。今年度は、ズバリ団体優勝目指します！

今年度JKJOチャンピオン

中学2〜3年女子50kg以上
成田薫実
中学2〜3年の部なので年下の選手と戦うことが多く、負けられないプレッシャーが強かったのですが、その気持ちに負けず優勝できて嬉しかったです。それに中学生として最後のJKJOだったので、良い結果を残せてホッとしています。今年からは高校生になるので、挑戦者の気持ちで全力で戦いたいと思います。

中学1年男子42kg未満
正木翔夢
全国から強豪選手が集まり、試合数も多いので大変でしたが、2年ぶりに優勝できたので、とても嬉しかったです。今年からは中学2～3年の部のエントリーになり、3年生とも戦うことになるので、しっかりと練習をして今年も優勝目指します。

中学1年女子43kg以上
酒井希羽
今年は重量級での挑戦で、一度も勝てた事のない選手がいたので不安でしたが、七州会でいつも教えられている「強い気持ち」で挑んで、JKJO4連覇に繋げられたのでとても嬉しいです。今年からは中学2～3年の部のエントリーになるので、先輩方に負けないように5連覇目指して頑張ります。

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